「くそ!海賊風情が!!」
悪態をつきながら酒を貪り、ジョッキを机へ叩きつける男。
彼は中南米のある地に存在するローカルプロレス団体「WR(レスリングレコーダー)」の社長であり、エース選手でもあるファートゥム
「おいおい、そんなにカリカリするなよ。アイツらの敗北は確実だ…こんな短い期間で4人もレスラーを集めるなんて…集められたとしても大したことはなさそうだ」
宥めるこの男はアエテルヌム
アギラへ団体戦の提案をしたのは彼だ。
「はん!俺はああいう、”え?俺またなんかやっちゃいました?”っていう雰囲気を出すスカした野郎が大嫌いなんだよ!やるなら徹底的に潰してやらあ!」
「というと?」
「こっちもレスラーを集めんだよ!!4人!」
「なるほど、さっきの俺が言ってた言葉聞こえなかったのかな」
「ゲッパッパ…俺は用意周到な奴でな…アイツらを見張ってこの辺りに寄港するタイミングでうちのリングに上がれるように何人か交渉している…」
「見張り?わざわざか?」
「あいつらの船が興行してた時にGPSをオンにした携帯を潜ませておいたんだよ!」
「うわあ」
「そして交渉していたこのリストの中から4人選んで連絡をするだけで…完了よ!」
「ん?まてよ、4人?俺は出なくていいのか?」
「はあ?当日、試合は5試合だが出る選手は六人だったってのを通してメンバーを集めれなかったアイツをバカにするんだよ!!」
「な、なんて姑息な奴…!」
「ゲッパッパ!ラストマッチは俺とお前とあのハゲワシで3WAYを提案し、ボコボコにするってわけ!」
「り、了解…」
「ゲッパッパッパッ!!」
一方ブラックストーク号
「集めたぜ!」
「意外と早かったな」
「いつの間にか船に迷い込んできた奴がいたりして5人集めることができた」
「5人?1人多くないか?」
「アイツは”全5試合の団体戦”としか言ってねえからな。どれかの試合を実はタッグマッチでした〜とか言い張りそうだから念の為1人多く集めた」
「流石艦長、悪党の考えがよくわかってらっしゃる」
「へへっ…さて、侵略しにいくとするか!」